18期にT先生という、元検事の弁護士さんがおられた。

平成18年にボスの選挙の時にお世話になった。

ずいぶん前にお亡くなりになったが、ときどきT先生のことを思い出す。

実際にお話をした機会は数回だったと思うが、なんとなく変人同士ウマが合う、と、おそらくお互い直感的に思ったのだろう。年上に生意気な口をきく私を面白がってくれた。お亡くなりになる前、体調があまりよくなかったためか、ひとつ事件を引き取ってほしいと連絡があり、ご自宅にお邪魔したことがある。大変な事件ではあったが、T先生が後継に選んでくれただけのことはあって、これまた依頼者との周波数は合ってそれなりにうまく解決した。

T先生は、話してる雰囲気がなんとも言えず明るく朗らかで、笑顔が少年のようで素敵だった。40年近く後輩の私にも全然偉ぶらなくて、やれ宇宙に興味があって勉強してるとか、やれ「これからの弁護士はプロフェッショナルを市民にわかりやすく伝えなあかん、ブログとかやれ」とか言ってその関係の本を勧めてくれた。

何かこの人は変だぞ?、いろいろ普通の弁護士がしないようなことしてるし、頭が理系なのかな?でもなんかこんなおっちゃん好きだぞ、という、盆暮にたまに会うおもろい親戚のおじさんみたいな感じで、会うのがいつも楽しみだった。

冬場、大きなリュックを背負い、防寒と伸縮性にすぐれたズボンで闊歩し、山登りにでも行きそうないかにも暖かそうなジャンバーと手袋をまとって西天満に現れ、身につけてるもの全てのマジックテープをバリバリ外しながら、リュックの取りやすい位置から携帯とかclie(当時SONYが出していたPDA。懐かしい。でもT先生のを見て私もclie買ったし、そこからiPod touchに意向したなあ。)やらのガジェットを取り出し、予定を見たり、どこかに連絡したりしてる姿は、コンピューターおばあちゃんとか、1人でいろんな楽器を演奏する大道芸人さんみたいで、すごいなと感心した。ただ、まだ若手の私は、弁護士たるものスーツで小綺麗に、というような型にはまった考えをしており、「もう少し弁護士らしく、革鞄とかスーツとかの装いで行動すればよいのに」などと思っていた。

ところが、実際、2025年3月に弁護士会の副会長を終えてから、また、自転車を市内移動の足にするようになってからというもの、カバンはリュックになるし、リュックにリール式のキーホルダーをつけて定期や自転車のキーを早撃ちのガンマンみたいに出すようにはなるし(小学生みたいです)、履くのが楽で洗えて機能性のあるズボンを選択するようになるし、靴もスニーカーになるし、Apple Watchで電話に出て手首に向かって話すようにもなるし、、私もT先生化が進んでいる。

便利重視でちょっとカッコ悪いかもしれないし、ちょっとアホっぽいけど、これが快適だし、50歳を前に見栄とか重厚感からどんどん遠くに行ってるのも気楽かもしれない。

T先生みたいな闊達なおじさんになれるかはわからないが、しばらくこの感じでいってみようと思っている。