新型コロナウィルス感染症について、これまでさまざまな感染対策が推奨されてきましたが、その一つとして、マスクの着用があります。
当事務所においても、2020年4月以降、広くはない室内でご相談者様とフェイストゥーフェイスでお話することから、無用なご不安を与えぬよう、私もマスクを着用して対応してまいりました。
しかし、私は、相談にあたっては、お話の雰囲気やフィーリングを大切にしており、お互い顔を見ながら膝を突き合わせての法律相談こそが本来の姿だと思っております。そのため、お互いに表情がわからない状況でお話することは、私にとってもご相談者様にとっても思いや考えが伝わりづらく、コミュニケーションにロスがあるように感じておりました。
また、私は、もともとマスクは風邪等に罹患した側が他者にうつすことのないように着用する(すなわち他人から何かをうつされないためにするものではない)ものだと理解していますし、衛生面でも感染予防の面でも1日中マスクを着用することはかえってウィルスが付着したマスクから吸引するリスクもあるため有用ではなく、マスクをすることでの肌荒れや不快感、酸素取り込み量の減少などの問題もあり、健康面でもマスク着用にネガティブな面が多いことからできるだけマスクを着用しない場面を増やしていきたいと考えておりました。特に、教育や人材育成を重視する私にとって、社会や学校からの要請によりお子さんがマスクを外せない状況が長引き、マスクなしの生活にお子さんたちが戻れず、友人や先生方とのコミュニケーションや感情表現を味わう機会を大きく制約され続けていることは非常に胸が痛く、この状況について深く憂いております。子どもたちをマスク生活から解放するためのメッセージとして、大人が模範となり率先してマスクを外していく姿を見せていくべきだとの考えが強くなってまいりました。
そのような中、2022年に入って後、(日本より大きな感染被害を出した)海外でもすでにマスク着用の義務は撤廃され、人々はマスクなしで生活できるようになっており、表情豊かに暮らす外国人の姿が映像として入ってくるようになっています。また、マスクには飛沫の放出を防ぐ機能はありますが、インフルエンザ等について、マスクを着用した場合と非着用の場合とで感染結果にさほど有意差がない旨の調査報告も複数あることもわかってきました。日本においても、少なくともウィルスの滞留しない屋外では感染リスクは少なく、マスク着用の必要はない扱いとなっております。このように、徐々に脱マスクの社会情勢になりつつあるものとは感じております。ただ、いまだ屋内においてはマスク着用が推奨されており、大多数の社会人は感染対策ではなくもはや外出時のマナーとして、他人に不安を与えたり苦情を言われたりしないよう、お互いを不自由で縛り合うかのようにマスクをして行動し続けています。こうした状況は、未知の感染症に対する素朴なおそれからくるものでしょうから、誰が悪いというような問題ではなく、私もこうした社会情勢を何ら非難しているものではありません。ただ、私にとっては上記の理由からマスクなしの法律相談が理想であり、このままではいつまでたってもこの状況から脱することができないように思い、相談者様の健康にも配慮しつつも、私の責任の範囲で思い切ってできることをしてみたいと考えました。
この点、感染防止対策としては、マスク着用よりもむしろ換気と人の手の触れるところや手指のこまめな消毒やうがいのほうが効果的であると言われていること(結局、空間内にウィルスがないか存在しても極めて少ない状況を確保することこそが重要であり、その意味でもこれらの対策が有効なのは納得できるように思います)、また、そもそも双方が感染していなければマスクの必要性はなく、仮に感染していても無症状者からの感染可能性は相当低いことを踏まえ、事務所内においては、①換気と消毒を徹底し、②私とご相談者様双方に風邪等の症状や体調不良がないのであれば、相談時にマスクを外すことは十分に可能であると判断いたしました。
そこで、当事務所としましては、2022年7月以降、マスク以外の感染対策に重点を置くこととし、上記二点が確保されている場合、打ち合わせ時は原則マスクなし(小職・ご相談者様)とすることといたしました。何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします(もっともご相談者様がマスクをする自由も当然ございますので、ご判断にお任せします。私の方からマスク着用を求めることはせず、外していただいても全く問題ないことを表明するものです。)。
もちろん、私が風邪症状を有するなど体調不良の際にはその旨を連絡させていただき、ご相談者様に予定通り打ち合わせをするかどうかを選択いただくことにいたしますし、そのうえでご相談者様が来所される場合には、私の方で必ずマスクを着用することとし、ご相談者様が来所をお控えになる場合にはリモート等の対応に変更させていただきます。ご相談者様におかれても、体調不良時は来所をお控えいただくことを推奨しますが、それでも来所される場合には、マスクを着用していただくよう何卒お願いいたします。
相談前後の打ち合わせテーブル、椅子及びドアノブの消毒、相談前後及び相談中に積極的に換気を行う感染対策を中心とし、私とご相談者様の感染防止に努めていきたいと思います。お互いの信頼関係のもとに、安心してマスクなしでの相談が実施継続できますよう、ご理解ご協力をお願いいたします。